【公園を楽しむ一考察】 ベンチ論考

公園を楽しむ一考察
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公園にはベンチがある。スタンダードなものから、こだわりのもの。防災機能を備えたものや健康ベンチなどなど。公園がのんびりと過ごすための場所という理由から、ベンチのない公園は珍しいほどで、なかには来園者の数よりもベンチのほうが多いんじゃないかと思わざるを得ないくらいの数を誇る公園まで。

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背もたれがあったりなかったり、ウッディなものや樹脂でできたもの。細長いものからスクエアなもの。あずま屋のように屋根がついていたり、曲線であったり。ひとりがけのスツールのようなものや大人数が座れるもの。そのジャンルは様々なので、やはり座ってみると面白い。

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ハイキングなどが楽しめる山をフィーチャーした公園の山頂広場にベンチとテーブルがあったときのありがたさ。そして逆になかった時の悲しさ。芝生に直接座るも良し、じべたにどっかりとあぐらをかくのもいいですが、ベンチ、ベンチ。ああ、なんていい響きなんでしょうか。

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そんなベンチのことをまじまじと考えるのはこの公園ガイドくらいなものだとは思いつつも、ちょっとベンチに注目してみると公園利用の幅が広がったり、こんなベンチがあればいいのにと公園の運用の改善につながるかもしれない。

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例えば、Amazonなどネットでお買い物をしてもドコに届けていいか分かりづらい方(いわゆるホームレス)の人たちのベッドとしてご活用いただくのを遠慮するために、寝そべることができないようなベンチもよく見かるように。それらはアンチホームレスアーキテクチャとして特に海外では確立されており、賛否両論。さらにはスケボー少年たちのアクロバティックなスケーティングを未然に阻止するギミックなども盛り込まれたり。公共スポットであるがゆえに、特定の人たちを締め出すような取り組みがいいか悪いかは別として「迷惑をかけない」という意味でのいたちごっこは今日もどこかの公園で繰り広げられているのでしょう。

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他には沼津市内の公園のいくつかには木製のベンチが突如として出現するケースがありますが、それは沼津工業高校建築科の生徒さんたちが地元に貢献したいと自作のベンチやテーブルをちょっとずつでも寄贈してくれているからだとか。座りごこちもなかなかで、もっとアピールしてもいいんじゃないかと思ったりしつつも、感謝しながら大切に使わせていただきたいもの。公園のベンチはただガーデンベンチのように置けばいいだけのものでもなく、工事費等も含めてけっこうな価格がしたりすることも。3-4人がけくらいのもので10万円とか!

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ともあれ、公園を利用するとなったらおおいに遊んで、ときには休憩。そんなときにとても助かるのがベンチというひっそりと来園者のおしりを待ち構えているひたむきな存在。遊具や芝生、水遊び場などの派手な要素だけでなく、たまには着目してみるのも公園の楽しみ方のひとつ。