バストイレなし、キッチンなし。八畳ワンルーム(ロフトのみ)。築約380年、最寄り駅は片浜車で15分。
江戸時代の大雨で山から転げ落ちてきたという石。大きさはおよそ50平米超で実は32畳くらいある。原の名僧、白隠禅師が少年時代にこの石の上で座禅を組んだとかなんとかいう霊場だったりする。他にも多くの雲水がここで禅を学んだというのは確からしい。
何もこんな石のうえで座禅しなくてもいいのにと思うのは凡人の考え。禅の教えは非常に深いものがある。
さて、現代では沼津市の柳沢地区という非常にのどかな場所にあり、派手さはまったくない。公園と名乗ってはいるものの、柳沢地区の人たちが丁寧に守り抜いてきた場所らしい。一方で、ボルダリングにこの岩を登る愛好家がいたり、岩のむこうの沢は適度な流れで、自然のせせらぎで水遊びができたりちょっとウォータークライミング的な気分を味わうことができておすすめ。水の透明度は高いし、そんなに深くないし。※天候や雨量により水量は変わるはずなのでその辺はじゅうぶんにご注意を。
最近ではどうかはわからないけど、小学生の遠足の目的地になったりすると、お子たちがこぞってこの八畳石の上に登ろうとアタックを試みる。そのたびに、修行の足りないキッズを返り討ちにする一方、見事クライムに成功した者たちをそのきれいに平らになった八畳(以上)の石のてっぺんからドヤ顔をすることを許してくれるという懐の深さをもっている。
ということで、キッズたちやボルダリスト、沢あそびをするファミリーなどをただひたすら、静かに待ち受けている八畳石。穴場スポットなので、夏場にでも着替えを持って出かけてみるとその楽しみの幅がひろがる模様。そこにはただ、大きな意志があるのかもしれない。