駿河湾の最奥部。内浦湾の入り江にある小高い丘。
かつて、北条水軍が駿河湾海戦のため、武田水軍を見張るための山城、長浜城が築城されていた場所が国指定史跡として整備されています。
街道沿いにエントランスがある長浜城跡。釣り堀の近くの駐車場に車を停めていざ出陣。それなりに傾斜のある階段を登ると、途中北条の家紋である三ツ鱗の幟がお出迎え。木々の間をぬけて山頂を目指しますが、10分も歩けばもう頂上。とても良心的な物見のための山城である。
道中にはわりと丁寧に案内板が設置され、ここは曲輪だったここには倉庫があったなどと解説してくれます。言い換えると、今はその痕跡はほとんど見ることができないため、案内板でもないとただの小さな山に見えてしまうからかもしれない。
さて、鼻歌交じりで頂上につくと、そこは開放感抜群のオーシャンビュー。
富士山方向に沼津市街の景色と、淡島を内包した駿河湾を眼前に臨むことができる。これは景色にみとれて敵の水軍の見張りどころではないかもしれない。
山頂は芝生が広がり、ちょっとしたピクニック気分でお弁当を広げてもよいかもしれない。きっと当時の侍たちも、見張りをサボりつつ、この景色を見ながら弁当を食べていたに違いない。それくらい気持ちの良い開放感なのである。
櫓の階段はめちゃめちゃ急角度。アトラクション的にはこれくらいしかないものの、短い時間で楽しめる開放感抜群のオーシャンビュー。
穴場的な要素もあり普段は賑わいを見せることも少ないが、例年5月くらいに開催される長浜北条水軍まつりのときばかりは火縄銃の爆音が響く。ぜひ、長浜城跡の動向を見張っていただきたいものである。