東海道線原駅のほど近く。路地の片隅にちょこんと設けられたちいさなスポット。
これほどまでに小さいくせに「カタバミ公園」などとたいそうな名前を冠した公園はいまだかつて見たことがない。
しかし、公園の価値は広さだけじゃないよね。
つうのを再確認させてくれる味のある公園である。
というのも、遊具もトイレも駐車場もないけど、重要な役割が。
災害時、万が一ライフラインがストップした場合の炊き出しなどに使えるようにと、ベンチはかまどに早変わり。いまどき珍しいポンプ式の井戸は、飲み水には適さないが準生活用水として水道の供給がストップしたときも使える。
災害時とはあまり関係ないように思えるが、実はそういう非常時こそ運動や心身を疲弊させないための役割があると思われる足ツボ押し効果が期待できる小径もあり、なんだか気のきいた公園である。
近くにある原町幼稚園の園児たちやここが散歩コースになっている人にしかお目にかかることがなさそうな公園だけど、こんなシュールでニッチな存在感はけっして嫌いではないし、このような公園こそもっと評価されるべきだとも思う。
地域の方々によって花も植えられており、レンガで囲われているうえにあずま屋やちゃんと飲用できる水道などきちんと整えられている姿には好感を持たずにはいられない。
なお、「輝く心」という立派な花言葉をもつカタバミは園内では発見することができなかった。
遊ぶだけが公園の役割じゃないぞということを再認識させてくれる稀有な存在。頭のカタスミに覚えておいてほしい「カタバミ公園」である。
おあとがよろしいようで。