盛夏を迎えるすぐ前、7月も中旬を過ぎると、ふじのくに美しく品格のある邑(むら)に認定されている浮島地区におよそ15,000カブのひまわりが、さんさんと輝く太陽に向かっていっせいに花を咲かせます。普段は通りすぎてしまうような田んぼの中の田園風景がこの時ばかりはちょっとした観光スポットに早変わり。
面積としてはこぶりながらも、ぎゅっと詰まった田園風景に夏のシンボルひまわりが所狭しと並ぶ光景は遠方からも夏を満喫したいと訪れる人で賑わうのも納得です。実際に伊豆ナンバー、静岡ナンバーなどちょっと遠目の市町からもカメラを持ってキャッキャ言ってる人を多くみかけます。
また、さすが夏の風物詩。訪れたシニア層なんかが「おら、下田からきたんだよー」なんてきさくに声をかけてもらうことも。夏は女子もおじいさんも開放的になるのかもしれません。他にも三世代でお散歩を楽しんでいる人たち、ひまわりの背丈がだいたい120㌢くらいなので、花畑のなかで自撮りをしているリア充カップルなどその楽しみ方はさまざま。ぶんぶんと飛ぶ蜂たちもまた花粉集めに忙しそう。からだ全体に黄色い花粉を集めてあっちにいったり、こっちにいったり。リア充カップルを刺してしまえと思うのはいけないことです。
これだけのひまわりは、耕作放棄地を有効活用し、美しい景色と環境保全を考えるシンボルにという想いから地元の農家の方やJAなんすんなどが各家庭で丁寧に育てたひまわりを一斉に植え替えるのだとか。なかなか大変な作業に想いをはせつつも、周囲には日陰がないので熱中症には要注意。
あたりを芽吹きの田んぼに囲まれ、富士山と新幹線を遠くに望むひまわり畑はTHE 浮島。ひまわりを携えた夏のTHE 浮島を楽しみましょう。最盛期は7月中旬から下旬。8月に入ってくるとその役目を終え、太陽から目線を外した枯れたひまわりたちの姿はちょっとグロテスク。もちろんその種が来年に向けて役目を果たすのですから、それもまた夏らしい光景といえるのかもしれません。