三島駅にほど近い自然に囲まれた公園。小松宮彰仁親王が明治23年に別邸として造営され、昭和27年より三島市が運営管理している歴史ある場所である。園内は1万年以上前の富士山噴火時の溶岩流の上に、160種の樹木が自生しているため、季節に応じて野鳥などの飛来もみられる。メインの小浜池は年がら年中枯渇しているという物悲しさがあるが、たまーに満水になったときは結構素敵なようだ。その様子は園内スタッフも興奮を隠せず、シーズンには連日池の水位をウェブサイトなどでアナウンスしている。
どうぶつ広場は、シュールな動物園の様相を持っているのもまた特徴。ワラビーやヤギ、レッサーパンダなどの小動物がいるが、総じてやる気が感じられないのが特徴。彼らの哀愁ただよう背中は、他の動物園ではなかなか見ることができない。昔はキリンやゾウもいたうえに、一時期話題になったかみつきザルのらっきーちゃんもいる。なお、そんな動物たちにフォーカスした小冊子も発行されるほどの愛されぶり。
他には、昭和を感じさせるのりもの広場もあり、レトロな感じのメリーゴーラウンドや汽車、キャラクターのカートなどまさに子供だましの乗り物がある。でも意外と人気っぽい。おじいちゃんおばあちゃんに連れてこられたお子たちはキャッキャ言いながら結構楽しんでいる模様。
こんなクダリを富士山周辺公園ガイド(マガジン)にそのまま掲載依頼してみると「辛口のコメントありがとうございます(笑)。出来上がり楽しみにしてますね♡」と快諾をいただいた懐の深さに惚れずにはいられない。
実は国の天然記念物に指定されている立派な公園ではあるが、シュールであり非常にニッチな楽しさを提供してくれるレベルの高い公園である。そのため、他の公園と同じノリでいくとアワを喰らう可能性があるが、それもまた楽しみ方のひとつ。
定番の楽しみ方といえば、森林浴のような感じで自然を満喫しながら散歩をすることと、春の桜や季節によって菊などの展示もあるので、これらの花々を鑑賞しにいくのが王道。
他には、SLや郷土資料館。万葉の森というエリアには、これでもかというくらいところ狭しと無理やり作られた歌碑(のような立て札)がいっぱいあったり、一日に6回限定でオープンする楽寿館なども見所。
特に最近では夏季には水遊び広場が出現したり、フリーにお絵かきができる大型のブラックボード、各種イベントも積極的に開催されなかなかの賑わいを見せている。また子育て優待カードなども利用できる。由緒ただしき場所ではあるが、かしこまって訪れる必要はなく、とことん楽しむべきである。
■入園料 大人300円、小人50円
(子育て優待カードが使える模様)
写真協力 ミカサブックス ヒロセ写真事務所