白くないのにしらおさん。富士宮駅からちょっと行ったところ、標高240mほどの小高い山、ゴルフ場を登りきったところを富士宮市唯一の総合公園として整備した白尾山公園。
リニューアル前のノスタルジックな感じもイカしていたが、総合公園を謳うだけあり、数年前に新たな楽しみ方をプラスされ、いろいろな要素が詰め込まれている、味わい深い公園である。
まずは、園内にある大きな木とうまいことマッチングした大型の複合遊具。なかなかのスケールを誇り、スパイラルすべり台もけっこうな角度を持つ。その包容力はたくさんのキッズを一度に遊ばせるポテンシャルを持っている。そして、富士宮市のキャラクターかぐやちゃんを随所に配して、「10人のかぐやちゃんを探せ!」というギミックを含んでいるものの、お子たちはあまりかぐやちゃん探しには興味がないことが見て取れる。
遊具エリアには、ターザンロープや木でできた年季の入ったアトラクションもあるため、いろんな遊びが楽しめる。それに加えて、このあたりでは珍しい、人工芝を使ったグラススライダーも完備。そりまで備え付けられており、だいたいキッズ一人あたり10往復くらいは満喫せずにはいられないアトラクションである。ちなみに、低年齢向けに、長短二種類の距離のスライダーがあるものの、短い方は悲しいほど使われていない。
そんでもって、広めの芝生の「遊びの広場」。その名の通り自由なスペースでいろいろな遊びができてしまう。サッカーボール、フリスビー、おいかけっことなんでもあり。木陰にはビニールシートやサンシェードテントなどが立ち並び、休日なのにこんなにアクティブな公園につれてこられたパパさんたちの休憩場所としても使われる広場である。広いとはいえ、お互い譲り合って遊びましょう。
山系の公園であるため、公園のてっぺんあたりには展望台が設けられているものの、いかんせん遊具エリアからちょっと離れていることや、たどり着くまで距離が短いながらも傾斜があるため、あまり展望を楽しまれている感じはない。
それどころか、高低差を生かして設けられている全長65mのローラー滑り台(おしりガード完備)が途中にあるため、だいたいのお子たちはこのローラーすべり台で満足し、展望台まで辿り着こうとはしないのである。ちなみにこのローラーすべり台付近のトイレは「便所」という看板の主張がスゴイ。
そんな展望はもしかしたらキッズにはちと早いのかもしれない。そう、白尾山公園は「日本夜景遺産」に選ばれし、ちょっとロマンティックな眺望を持っているのである。昼間でも拝める富士山と富士宮の景色は、夜になるとだいぶ大人びる。まあ、この夜景も展望台まで登らなくてもよく見えるうえに、眺望ポイントには特等席ばりにベンチもこしらえてある。このありがたみはキッズにはわかるまい。
他にも園内にはどんぐりがそこかしこに落ちていたり、怪しいながらもきれいなきのこが生えていたり、トンボ池と名付けられた透明度の低い池ではザリガニ釣りができそうだったりと、いろいろなコンテンツを持っており、足繁く通っても楽しみには事欠かない。
さらには、飲み物の自販機だけでなくセブンティーンアイスまで販売されており、帰り際までキッズを楽しませるのである。