函南町の山深く、函南原生林。不伐の森といわれ地域住民が代々保護し、禁伐の掟によって保護されてきたことにより函南町の街や三島市など下流域にあたる地区の水田などを潤す水源涵養林としての役目を担っているちょっとだけ神秘的な森。
それゆえ原生林は貴重な古木群、原生の木々を保護する目的から多くの場所は立ち入りが禁止されています。ただ原生林のエントランスが広大な公園として整備されており、森林浴をしながらウォーキングやハイキングを楽しむことができます。
およそ40台停められる駐車場。こんなにスペースが必要なのかどうかを勘繰るのはNGではありますが、広大な原生林ゆえ駐車場も広大になるのは自然の理。母なる包容力を持つ原生の樹木たちと同じく駐車場も大きな包容力を備えているのであります。とはいえ、訪れる人もそんなに多くないのでお好きなところに車をとめていざマイナスイオンを浴びに散策へ。
広々とした池には鯉や鮒、さらにはニジマスなども泳いでいるそうではありますが、なかなかその姿を確認することはできません。鬱蒼と生い茂る原生林のなかでも公園エリアは陽の光がほどよく差し込み、空を見上げれば箱根に続く青空が広がり、池の緑となかなかのコントラスト。秋には紅葉も美しく、自然豊かな場所だけあり季節を楽しむのにももってこいであります。
他にはヒメシャラやカエデなどの樹木の彩りも美しいため、遊具などはなくともお子たちに情操教育からシニア層が体力づくりを兼ねたお散歩などにものんびりと楽しめそうです。
原生林には「学習の道」というハイキングコースが整備されており1周2時間半ほどの散策が楽しめるとか。ちょっとしたハイキングというにはなかなかのスケール。30分弱のハイキングなんてこの場所には似合わない。そう、これもまた原生の森の荘厳さがなせるワザであります。
原生林の中には樹齢ウン百年コースのブナなどの古木がそびえたち、訪れる人を静かに見守っています。であるからこそ、足を運ぶ私たちもそのレジャーと軽く考えずにその自然を大切に守っていくマインドも育てていかなければなりません。
森は生きている。その息づかいを函南原生の森公園で学んでみましょう。