【また来年】大瀬まつり・内浦漁港祭

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沼津のしゃくれた岬、大瀬崎(おせざき)の項目でちらっと触れた、天下の奇祭、その名も大瀬まつりがやってくる。4月4日。何があろうと4月4日。曜日も天気も関係なしにこの日に開催される大漁と航海の安全を祈念するまつりである。 平成29年、そして30年のポスターが憎たらしいくらいイカしているのでぜひ見てほしい。

大瀬崎のさきっぽにある大瀬神社の例大祭で、海の恵みに預かる漁師たちが、神社に米俵とかいろいろ奉納し、参拝するという流れ。うむ、ここまでは普通のまつりである。

天下の奇祭と呼ばれる所以は、ガチむちの漁師たちがなぜが派手な化粧と長襦袢(ながじゅばん・着物などの際に身につける下着)で女装し、しかも「ちゃんちゃらおかし、ちゃらおかし あのこのしゃっつら ちゃらおかし」と耳残りのよいリズミカルなお囃子と共に踊り狂う、勇み踊りにある。

派手な化粧をし、下着姿で妖艶に踊る。確かに神様も喜びそうではあるものの、いかんせん全員男である。見渡す限り男である(女性も船に乗っているが大体鐘や笛などで盛り上げている。こちらは下着姿ではない)。ちなみに、小・中学生くらいの男子も勇み踊りに駆り出されるが、やっぱり大人に比べるとテンションは低い。思春期にコレをやるとなったら気持ちはわからんでもない。しかし、大瀬の男(女)にとってはこの奇祭ことが登竜門なのである。

紅白幕や大漁旗、こいのぼりがくっついていたり達磨を搭載していたりとこれまた派手に装飾された参拝船や漁船が集団で大瀬崎に集まる姿は圧巻。しかも、順番があるのかなんなのか、早く着き過ぎちゃった船なんかはその辺をぐるぐる廻ったり、エンジンを止めたり吹かしたりとちょっとヤンキーぽかったりもする。まあ、それも女装の恥ずかしさを隠すための愛嬌だということにしよう。

大瀬神社に奉納したあとは、海の男(女)たちは、しばし休憩。あたりでは、男(女)たちだけでなく観光客にも干物や味噌汁そして日本酒などがほとんど無料で振舞われる。どこから連れてこられたのかよさこい踊りのパレードがあり、また、ステージでは男(女)たちの勇み踊りの披露ととにかく賑やかで、見ているこちらまで自然に口ずさんでしまうくらい。




ひとしきり大瀬崎を喧騒に包んだ後、船団は内浦漁港へ向かう。この道中も男(女)たちは船上で勇み踊りを披露するものの、実はけっこう休憩したり飲み食いしており、報道とか観光の船が近づいてきたときだけ張り切るという省エネ作戦が敷かれている。

同日に開催されている漁港祭で多くの観衆が待ち受ける(大瀬崎までは沼津中心市街地から距離があるので内浦漁港祭までという人も多いため)内浦漁港では、船団からみかんやお菓子などがばら撒かれ、熱気も最高潮に。早朝から踊り続ける男(女)たちも最後の力を振り絞って踊りまくる。

およそ14時も過ぎると、なんとなく祭りはお開きのテンションとなりあたりは静けさを取り戻す。朝早くはじまり、昼過ぎには終わるなんとも健康的なイベントである。
天下の奇祭、と呼ばれるだけのインパクトにあふれた一台イベント。ぜひ足を運んでいただきたい。できれば、内浦漁港だけでなく、大瀬崎のほうまで。お祭りの詳細は沼津市観光ポータルサイトへ。