公園と歌声 feat.安部たかのり

公園を楽しむ一考察
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ふじのくに田子の浦みなと公園では尺八を奏でるおっさんに出くわしたり、沼津市の中央公園ではギターの練習をされている方に出逢ったり。公園と音楽は実は親和性が高いのではないかと思ったりしております。

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静岡県出身のミュージシャンである安部たかのりさん。通称あべくん。ライブハウスはもとよりカフェやバー、野外での音楽イベントなど場所を問わず、聴く人にじわりと響く心地良いその歌声を届けています。安部さん、いや安部くんが弾き語りで音を奏でる場所はついには公園まで飛び出し、全曲を代々木公園で録音したアルバムをリリースしたとかなんとか。

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「公園で音を録るのはスタジオ費用を浮かせられるからなんですけどね(笑)」と正直な安部くんではございますが、安部くんとその仲間も公園が好きなこと、空の下で歌うとスタジオ録りとは違う音になって楽しめること。そして、自分たちだけでなく公園にいる人たちの日常の息遣いが聴こえるという意味での臨場感も一緒にアルバムに収録されています。公園全体に音を響かせるフェスイベントだけでなく、周囲5-6メートルほどに届く生音の音楽。もっとよく聴いてみたいという人たちがじわじわと距離を縮めてきて、公園のノイズも一緒にサウンドになるような、そんな音の楽しみ方もあるような気がしてなりません。もしかしてもしかすると、それは以前に紹介させていただいた「造って叩いて楽しもう!」でお馴染みの、TAPPERSの音の楽しみ方にも似ているのかも。

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もちろん公園は公共の場所。周りの迷惑にならないことやルールやマナーをきちんと守るのは大前提。それでも公園は文化が生まれやすい場所であり、日常に寄り添った場所であるからこそ、毎日口ずさんでしまうような音楽を楽しむのに最適な場所であるような気がします。そんな楽しみ方こそ私たちの暮らしに直接的にリンクしているということができるのではないでしょうか。

そのためにはあまり恥ずかしがらずに、安部くんのように、気の向くままに公園で音楽を楽しんでみるのが第一歩といえるでしょう。

 

安部たかのり

静岡県磐田市出身。ライブステージではアコースティックギターを抱えてマイクの前に真っすぐ立って弾き語る。その立ち姿はライブであり、歌であり、楽曲のスタンスに通じています。18歳の頃から楽曲制作、ストリートライブを開始し、現在では拠点を東京に置き、渋谷区のKitche&Bar MORISを夫婦で切り盛りする傍ら、精力的に全国を駆け巡っています。富士山周辺、例えば沼津市や富士市などでも年に数回イベントを開催しています。その歌声、パフォーマンスをぜひライブで体感してみてください。

撮影協力 ABE Misato @駒場公園